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木彫りクマ職人 川口直人さんに聞く

更新日:2022年3月22日


今回はエゾコムショップで取り扱っている木彫り熊、ダレ熊と船熊を作っている若き職人、川口直人さんにお話を伺いました。

木彫り熊を中心にたくさんの木彫り民芸品や木の手作り雑貨を販売している店、遊木民。

北海道札幌市の住宅街の中にひっそりと佇む店の扉を開くと、思わず声をあげたくなるような、温もりを感じる木の香りと魅力あふれる作品たちが出迎えてくれます。














←遊木民 代表の川口拓二さん(写真右)と息子の川口直人さん(写真左)、遊木民を営みながら木彫り職人としても活躍している




印象的で可愛らしい熊を多く生みだしている直人さんですが、幼いころから木彫りに興味があったわけではないそう。

依頼品作成中にお父様が怪我をしてしまったことがきっかけで飛び込んだ木彫りの世界。

職人の高齢化も進む中、現在直人さんは33歳。


















←たくさんの彫刻刀から迷いなく一本を選ぶ直人さん








木についてもたくさん教えていただきました。

北海道の木彫りにサイズや材の決まりはなく自由だそう。

中でも日常でもよく使う割り箸やアイスのヘラなどの材、シナの木は比較的にやわらかく定番のようです。

他にも定番にはエンジュやイチイ(オンコの木)もあるそう。

ほかにもクルミなど、その時々で作品に合う木を選んでいるんですね。


↑彫刻刀であっという間にダレ熊の形を作り上げていく直人さん



だらんとした熊のゆるさが愛くるしいダレ熊は、数々の写真資料から着想を得て誕生。

熊って寝ているときこういうポーズするんだなって、と直人さんはにっこり。

そんな、予想外さから生まれたダレ熊はこちらから



舟熊を彫りあげていく直人さん、淀みなく動く手はあっという間に熊を生みだしていく



余計なものを省いていった形、手数を増やし足し算で彫るのではなく、絶妙なツボだけを押さえ削り取る、引き算の彫りを目指しています。

たくさんの試行錯誤の上に誕生した船熊に職人としての成長を感じたそう。

ご自身の作風ができるまでについての質問に、まだまだ自分の作風なんて恐れ多いとのこと。




熊は直人さんが、舟は拓二さんが作られているそう。

こんなに細い材から生み出される小さな舟にのった熊たちはこちらから



やわらかな雰囲気のなかにこだわりを覗かせる直人さんの趣味や日常についても、お聞きしました!



冬はスキーを習い事ペースで、夏は釣りや虫捕りを楽しんでいるそう。

キャッチ&リリースを基本に、虫も魚も花も、その場にいるのが(自然の中に在るのが)好きです、とおっしゃる直人さん。

純粋に自然に触れることを楽しんでいるんですね。


釣りの最中には網を落としてしまい熊のように素手で魚を掬い上げたこともあったとか。

家でも外でも、いつでも自然に触れている直人さんだからこそ、船熊やダレ熊のように自然の中に在るような熊たちを生みだすことができるんですね。



←木彫りが割れやすい環境を丁寧に教えてくれる直人さん











最後に、熊の割れの修理もされているというお話から、家にお迎えした熊が割れないためにどうしたらよいかを教えてもらいました。


直射日光に当てたり、冷蔵庫に入れたり、急激な変化を与えると問題が起きることがあるそう。

木の製品は何でもそうだと思うのですが、エアコンや暖房、送風機の風が直で当たる環境だと、割れます。


せっかく出会えた自分だけのお気に入りの熊だもの。

割ってしまってくまらないよう末永く大切にしたいですね。

皆さんも、飾る場所の環境を、ちょっとだけチェックしてみてくださいね!




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